テザー(Tether)は、Tether Limited社が発行及び管理を行っているステーブルコインとなります。このテザーは、法定通貨担保型に分類されるステーブルコインで、米ドルに連動するよう設計されています。ステーブルコインは米ドルのような法定通貨に連動し、価値が保たれるということで、現在注目を集めている通貨となっています。
この記事では、Tether Limited社が発行及び管理を行っているステーブルコイン「テザー(USDT)」について、基本情報や特徴、そして取り扱っている取引所を初心者に向けて分かりやすく紹介します。
仮想通貨テザー(Tether)を
大まかに説明すると….
- テザーは、Tether Limited社が発行及び管理を行っているステーブルコインである。
- 米ドルと連動していて価値が保たれている。
- 価格が安定しているため、投資対象とはなりにくい。
- Tether Limited社によって、中央集権的に管理されている。
- ステーブルコインの中で最も時価総額の高いコインである。
目次
テザーとは?
テザーとは、Tether Limited社が発行及び管理を行っているステーブルコインです。法定通貨担保型に分類されるステーブルコインで、米ドルに連動する形で設計されました。このため、「1ドル(USD)≒1UST」になるように固定されています。
ステーブルコインには、ほかにも仮想通貨担保型と無担保型があります。この3つの中で一番オーソドックスなのが、今回紹介する「法定通貨担保型」のステーブルコインとなります。
これは、発行済みのテザーとTether Limited社が保有しているドルの量を等しくすることで価値を保っています。
このテザーのようなステーブルコインは、主要な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインやイーサリアムなどの価格の大きな変動がないため、投資対象ではなく、安全な資産の保存先として利用されることが多いです。
このようにTether Limited社は、ビットコインでもない、法定通貨でもない利便性・機能性をブロックチェーンを使用することによって、実現しようとしています。
テザーの概要
テザーの概要については、以下の表をご覧になってください。
暗号資産(仮想通貨)名 | テザー |
ティッカーシンボル | USDT |
公開日 | 2015年2月 |
取引認証システム | OMG Network |
発行元 | Tether Limited社 |
テザーの特徴
テザーの特徴は以下の5つになります。
- 価格が安定している
- 基軸通貨として多くの取引所で採用されている
- 投資対象にはなりにくい
- 中央集権型の通貨である
- 時価総額の最も高いステーブルコイン
それぞれ一つずつ見ていきましょう。
価格が安定している
テザーは、米ドルと連動しているため価格が安定しています。最大で2%ほどの差が生じることはありますが、それでもほかの暗号資産(仮想通貨)と比べると、はるかに価格の変動が小さいです。ビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)は、一日に20%以上の価格変動が平気で起こるので、それを考えると雲泥の差になります。
ですから、暴落や暴騰などの不安定な相場のとき、メンタルが保てない人にとって強い味方になります。安定して少しずつ資産を築いていきたい人は、少しでも保有しておくといいかもしれません。それだけでリスクヘッジにつながります。
特にビットコインのハードフォーク前後など、不安定な相場になりそうなとき、あらかじめ利確しておくのに最適のコインとなってきます。
基軸通貨として多くの取引所で採用されている
テザーは、海外の多くの取引所で、基軸通貨として採用されています。特にアメリカでは、それが顕著となっています。アメリカに本社を構える多くの取引所がテザーを基軸通貨として、テザーと取引できるペアを用意していることがほとんどです。
具体的な海外の取引所としては、以下のようなところが挙げられます。
- Binance(バイナンス)
- Poloniex(ポロにエックス)
- Bittrex(ビットトレックス)
- Liqui(リクイ)
投資対象にはなりにくい
テザーは、米ドルに連動しているため価格が安定しているというメリットはありますが、その反面、期待できるほどのリターンはないため投資対象にはなりにくいです。
将来的にも、いきなり価格が大きく上がることはないため、投資対象としてではなく、安全な資産の保存先として利用している人がほとんどです。
そのため利用方法としては、利益の大きく出た暗号資産(仮想通貨)を一旦利確して、その暗号資産(仮想通貨)をテザーに交換するといった流れが一般的となっています。これで、儲けをうまく安定的に増やすことができます。
中央集権型の通貨である
ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)の多くが非中央集権的な通貨に対して、テザーはTether Limited社によって、一社独占的な中央集権体制で管理されている通貨となります。
ですから、Tether Limited社が不正をした場合や、もし仮に破綻などした場合などは、保有しているテザーの価値は一気に無価値になってしまう恐れがあります。
この価値が一気になくなってしまうことを「カウンターパーティーリスク」と呼びます。テザーに関して言えば、Tether Limited社の一社独占管理と言うことで、このカウンターパーティーリスクが特に高いと言えます。
例えば、市場へプールされている資金が横領されてしまった場合、テザーへの信用や価値は一気に落ちしてしまいます。
また、相場が不安定なときテザーの発行量が増えるため、その分横領などのリスクは高まることになります。このように、価格が安定しているとはいえ、Tether Limited社の一社独占管理と言うのは、リスクも多くあると頭に入れておかないといけません。
時価総額の最も高いステーブルコイン
テザーは公開が2015年と比較的歴史のあるステーブルコインということもあり、ステーブルコインの中では、最も時価総額の高いステーブルコインとなっています。
現在(2021年7月)の時価総額は440億ドルを超えており、暗号資産(仮想通貨)取引ランキングでもビットコイン、イーサリアムに次ぐ、現在(2021年7月)第3位につけています。(CoinMakerCapより)
このように、ステーブルコインとしても、暗号資産(仮想通貨)としても人気のコインとなっています。
テザーはどこで購入できるのか?
テザーのようなステーブルコインですが、日本では現状、暗号資産(仮想通貨)として認められていません。ですから、日本国内の取引所では、取り扱っているところはありません。正確には取り扱いができません。
そのため、購入するには海外の取引所で購入しなければなりません。前述しました通り、海外の多くの取引所では、テザーを基軸通貨として取り扱っているため、購入に困ることはなさそうです。
その中でも、特に取引の多い以下の3社を紹介していきます。
- Binance(バイナンス)
- Poloniex(ポロにエックス)
- Bittrex(ビットトレックス)
それぞれ一つずつ見ていきましょう。
Binance(バイナンス)
Binanceは中国の取引所で2017年の誕生以来、取引高も登録者数も世界一と評されている取引所です。こちらで独自に発行されている「バイナンスコイン」が有名で、テザーの取引高は数ある取引所の中で一番となっています。
Poloniex(ポロニエックス)
Poloniexは、アメリカに本社を構える取引所で、マイナーなコインを多く取り扱っているのが特徴となっています。一度2014年にハッキング事件でビットコインを流出させたことにより、セキュリティの面ではしっかりと管理されており、現在は安全性の高い取引所と言われています。
Bittrex(ビットトレックス)
Bittrexは、2014年設立と歴史のある取引所となっています。取り扱い銘柄数が200以上と多く、アルトコインを多数取り扱ってみたい人に向いています。こちらもセキュリティ面で力を入れており、安心感のある取引所と言われています。
テザーについてのまとめ
今回は、テザーの基本情報や特徴、そして取り扱っている取引所について、初心者に向けて分かりやすく紹介してきました。
最後にこの記事の要点を以下にまとめます。
- テザーは、Tether Limited社が発行及び管理を行っているステーブルコインである。
- 法定通貨担保型と呼ばれるステーブルコインで、米ドルと連想していることで価値が保たれている。(1ドル(USD)≒1UST)
- 価格が安定しているということで、大きな利益が望めないため投資対象とはなりにくい。
- ビットコインなどと異なり、Tether Limited社によって、中央集権的に管理されている。
- ステーブルコインの中で最も時価総額の高いコインで、また暗号資産(仮想通貨)取引ランキングでも3位と人気の高い通貨となっている。
テザーは、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産(仮想通貨)とは、正反対な通貨となっていると言えます。投資家にとっては、価格が安定しているので、一見すると物足りなさを覚えるかもしれません。ですが、値動きの激しい暗号資産(仮想通貨)業界において、目立つ通貨とも言えます。
相場が不安定なとき、ビットコインやイーサリアムだけだと、どうしても気持ちが落ち着かない日々を過ごすことになると考えられます。そんなときにテザーのようなステーブルコインを少しでも保有しておくと、また気持ちも変わってくるはずです。
暗号資産(仮想通貨)なのに値動きが安定していて、利確に最適なので、ぜひ一度検討してみるといいでしょう。今後も暗号資産(仮想通貨)市場の盛り上がりと共に、このテザーのようなステーブルコインは普及してくるはずです。
日本国内の取引所では現在のところ、取り扱っている取引所はありませんが、今後取り扱ってくれるよう普及に期待しておきましょう。
これからもテザーからは目が離せません。
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