リップル(XRP)は、送金スピードが速く処理コストも安いという特徴をもった暗号資産(仮想通貨)です。2021年9月現在、暗号資産(仮想通貨)の時価総額ランキングで6位になっており、数多くある暗号資産(仮想通貨)の中でも高い人を誇る通貨となっています。

そんなリップルですが、現在はアメリカの証券取引委員会である「SEC」から提訴されており、裁判を繰り広げている最中となっています。こういった状況ですから、リップルの今後を不安視する声が多く上がっています。

そこでこの記事では、送金スピードが速く処理コストも安いリップルについて、基本情報や現在繰り広げられているSECとの裁判、さらに今後のリップルを左右するポイントまで、初心者に向けて分かりやすく解説します。

リップル(XRP)とは?

リップル(XRP)とは、送金スピードが速く処理コストも安い暗号資産(仮想通貨)です。こうした特徴から、国際送金や銀行間の送金をスムーズにできるようなプロジェクトが進められています。

この送金スピードの速さは、暗号資産(仮想通貨)の中でもトップクラスで、暗号資産(仮想通貨)の王様であるビットコインよりも早く、そういった点から将来性を期待されている通貨となっています。

一時期はビットコイン、イーサリアムに次ぐ時価総額ランキング第3位の通貨として人気を誇っていましたが、現在はSECとの裁判の問題もあり、第6位まで下げてしまいました。

リップルがビットコインやイーサリアムと大きく異なる点として、発行されている「XRP」の大半(約60%)をリップル社が保有していることが挙げられます。この点が、現在のSECとの裁判の原因にもなっており、今後のリップルを左右するポイントとなっています。

リップル社とSECの裁判まとめ

それでは、ここからは本題であるリップル社とSECが現在繰り広げている裁判について、解説していきます。以下のように何が原因になっていて、どういう経緯で進んでいるのか、そして今後の価格への影響などをまとめていきます。

  • 裁判の原因
  • これまでの経緯
  • 価格への影響

それぞれ一つずつ見ていきましょう。

裁判の原因

まず一つ目は「裁判の原因」についてです。

裁判の原因は「リップル(XRP)が有価証券に当たるのか」という点になります。有価証券とは、株式や債券などのことを指し、企業や国などが資金を調達する手段として利用しています。

先ほど説明しましたが、リップル社は大半のXRPを自社で保有しており、それが今回のSECとの裁判へつながっています。SECの主張をまとめると以下のようになります。

  • XRPは通貨として流通しているが、大半を保有しているため実質「有価証券」ではないか?
  • 有価証券にも関わらず登録もせず、1300億円をこえる資金を調達している
  • 約7年間にわたって資金調達していたことを謝罪すべき

SECはこのように主張しており、これに対してリップル社は、以下のように反論しています。

  • XRPは通貨であり、有価証券ではない
  • ビットコインやイーサリアムは通貨であると認定しているのに、なぜXRPは認定されないのか
  • 司法省と財務省がXRPを通貨としてみなしているので、今更これを問題とするのはおかしい

少しややこしい問題に聞こえたかもしれませんが、要するに裁判の一番のポイントは、リップル社が発行している「XRP」が“通貨か有価証券であるのか”というところになります。

これまでの経緯

二つ目は「これまでの経緯」についてです。

では、大まかに裁判の原因をつかんでいただけたと思いますので、これまでの経緯を見ていきましょう。経緯について、以下の表にまとめてみました。

日にち 内容
20/12/23 SECが「2013年から約7年間にわたり、有価証券登録を行っていない暗号資産(仮想通貨)XRPを販売し、1300億円を超える資金を調達した」とリップル社を提訴する。
21/1/29 リップル社が「投資契約として暗号資産(仮想通貨)XRPを販売したことはなく、XRPは有価証券には該当しない」とSECへ反論文書を提出する。
2/23 送金大手企業のマネーグラムが、SECの訴訟を理由に、リップル社で利用している決済ソリューション利用を一時停止することを発表する。
4/2 リップル社とSECが会談する。
5/16 SECにリップル社訴訟取り下げを求める、3万人もの署名が集まった請願書が提出される。
6/4 リップル社はSECに対し「XRPが有価証券に該当する」という主張に関する証拠開示を請求する。
6/7,11 SECは証拠開示の請求に対し、約2か月の提出期限延長を申し込む。

 

裁判はこのように経緯しており、現段階でどちらが優位とは言えることはできません。ですが仮にSEC側が勝利したとすれば、暗号資産(仮想通貨)市場は混乱を招くことが予想されています。

ですから、暗号資産(仮想通貨)投資をしている人は、これからの裁判の結果には十分に注意しておくといいかもしれません。

価格への影響

最後三つ目は「価格への影響」についてです。

実際にリップルへ投資を行っている人は、裁判の結果が価格へどのように影響してくるのか心配していることと思います。現在は暗号資産(仮想通貨)市場が好調なこともあり、価格はやや上昇傾向にあります。ですが、裁判の結果次第では、大きく下落してしまうことも考えられます。

ですから、特に初心者は安易に介入せず、裁判が落ち着いてから投資をすることをおすすめします。ただでさえ価格の乱高下が激しい暗号資産(仮想通貨)市場ですから、こういった時には、投資をしない方が得策だと言えます。

今後のリップル(XRP)を左右するポイント

最後に今後のリップル(XRP)を左右する5つのポイントについて解説していきます。

  • 送金スピードの担保
  • 送金手数料の削減
  • 複数銀行との連携
  • インドでの展開
  • Googleからの出資ウォレット

それぞれ一つずつ見ていきましょう。

送金スピード

まず一つ目は「送金スピード」についてです。

リップル最大の特徴として、送金スピードの速さが挙げられます。こちらは、実際に国際送金で存在感を示しています。これまで、国際送金の平均は2,3日でしたが、アメリカ~メキシコへの送金実験では、たった2分で送金が完了したと報告されています。

大手銀行も注目していますので、今後の展開に注目しておきましょう。

送金手数料の削減

二つ目は「送金手数料の削減」についてです。

送金手数料の削減も大きな注目ポイントとなってきます。国際送金では、これまで中継役として銀行が必要で、そこで発生する大きな手数料がネックとなっていました。

しかし、リップルを国際送金として利用することで、中継役を確保する必要がなくなります。先ほどのアメリカ~メキシコ間の送金では、実際に従来の40~70%の手数料削減に成功したと報告されています。

個人間であれ、企業間であっても、手数料の削減は大きな注目ポイントになること間違いなしです。

複数銀行との連携

三つ目は「複数銀行との連携」についてです。

これまで話してきたとおり、国際送金という点で、多くの銀行に注目されています。そこで実際にリップル社は、すでに多くの銀行と採用テストを実施しており、プロジェクトが進行しています。現在では約60社とプロジェクトを進行させており、高い評価を得ています。

インドでの展開

四つ目は「インドでの展開」についてです。

リップル社は、インドへの施策を発表しており、人口が世界第二位の大国へ今後影響力を広めていくと予想されています。インドは今後人口が世界第一位の中国を抜くと見られており、さらにGDPがアジアで第三位ということもあり、経済成長していくと見られています。

そんなインドですが、インド政府は暗号資産(仮想通貨)市場を規制するような動きを見せており、リップルは今後のインド政府の動きとともに注目しておかないといけません。

Googleからの出資

最後五つ目は「Googleからの出資」についてです。

リップル社は、リップルの仕組みや将来性からGoogleの子会社である「グーグル・ベンチャーズ」という会社より出資を受けています。このほかにも数多くの企業から出資を受けており、世界から期待されていることが分かると思います。

今後も裁判次第ではありますが、ますます多くの企業から出資されることが期待されています。それに伴って、価格も上昇してくると予想されています。

まとめ

今回は、リップルについて、基本情報や現在繰り広げられているSECとの裁判、さらに今後のリップルを左右するポイントまで、初心者に向けて分かりやすく解説してきました。

リップル(XRP)について、まとめていきます。

  • リップル(XRP)とは、送金スピードが速く処理コストも安い暗号資産(仮想通貨)。
  • XRPが有価証券かという点でSECと裁判中である。
  • 裁判の行方は分からないが、特に初心者は投資しない方がいい。
  • 裁判の結果次第では、価格へ大きく影響が出ると見られている。
  • 銀行やGoogleなど注目しているところは多く、期待されている。

リップル社としては、まずSECとの裁判を解決するところが肝になってきます。裁判の結果次第では、価格に大きく影響を与えてくることが予想されています。

XRPが有価証券に当たるかどうか、XRPだけではなく暗号資産(仮想通貨)市場全体に大きく影響を与えてくるとはずです。

特に暗号資産(仮想通貨)投資を行っている人は、注目しておかないといけない問題です。今後の動きに注目しておきましょう。

この記事が、今後の暗号資産(仮想通貨)投資の参考になっていれば幸いです。