今話題となっている「ビットコイン分裂問題」とは一体どのようなものなんでしょうか。

ビットコイン取引所に登録している人は関連するメールを受け取ったこともあるかもしれません。

今回はビットコイン分裂問題についてまとめてみました。

発端ービットコインの性能的限界

最近ビットコインの利用者が増え続け、取引に時間がかかるようになってきました。

これはビットコインの性能的限界が問題となっているのですが、具体的にはビットコインは現状1日60万件ほどの取引しか処理できないのに対し、

クレジットカードのVISAは10秒で60万件ほどの処理が可能です。

こう見ると、(様々な理由があるのですが)取引スピードという観点からは明らかに性能が限界を迎えつつあるということです。

そこで、ビットコインの開発者達、マイナー、ユーザーは、その処理力を上げる方法を考えだしました。

以下はいくつかの処理力を上げる方法となりますが、立場によって支持する方法が変わって来ます。

UAHF(ユーザーアクティベートハードフォーク)

まずマイナーが支持したのが、UAHFです。

UAHFを行なった場合、それまでのビットコインと互換性がないため、ビットコインコアとビットコインアンリミテッドに別れると言われています。

マイナー勢で最も力を持つジーハン・ウー率いるBitmainという会社はASICBoostという特許技術を有しており、UAHFをした場合、その

ASICBoostがそのまま使えると考えています。

ASICBoostそのものに関しては、不正を指摘されており、ユーザー側はこれを使えなくしたいと考えています。

UASF(ユーザーアクティベートソフトフォーク)

そして、ユーザーが支持したのが、UASFです。

UASFはライトコインでの実績もあり、確立された技術でしたが、マイナーの指示が得られないことで、無理やりUASFを行うという表明がなされました。

UASFを行なった場合、segwitを実装していないブロックをブロックチェーンに追加しないようにすることができます。そして、「segwit」では、ASICBoostが使えないように設定されています。

しかし、ここでsegwitを実装しているブロックチェーンが少数にとどまった場合、ビットコインが分裂してしまう可能性があります。

segwit2x

最後に、DCG(デジタルカレンシーグループ)CEOのバリー氏によって提案されたのが、segwit2x です。

これは、UASFと互換性がありますが、最終的には2018年2月までにハードフォークを行うという案です。

しかし、このsegwit2xもバグの存在が指摘されていたり、ASICBoostの利用が可能なのでは、という懸念点があります。

ちなみに、ジーハン・ウーはsegwit2xが出た際に、UAHFからsegwit2xを支持するとよう立場を変えています。

現状

7月23日にsegwit2xが正式にアクティベートされました。

予定では11月ごろにハードフォークが実施されるようです。

8月1日時点でUASFが行われる可能性はなくなりましたが、11月時点で実際にハードフォークが行われるかどうかも確定されたわけではありません。

影響

現状では、2017年8月1日にはビットコインそのものに大きな影響がでる状況は回避されたといえそうです。

実際に、コインチェックのサイトでも、8月1日時点で、「決済機能を一時停止」する予定だったのが、「通常通り提供」する等と変更されています。

しかし、8月1日20時時点で出金処理のみ停止予定など、対応はまだ未確定な部分も多く、各取引所でも混乱が続くことが予想されます。

まとめ

現状はとにかく不安定で、めまぐるしく状況が変わっていますので、なるべく取引しない、などといった消極的な対応しか取れませんが、ネット

だけでなく、一般的なニュースなどにも網を広げてなるべく情報を集めるのが最善かと思われます。