暗号資産(仮想通貨)が普及してきて「ステーキング」という言葉を、耳にする機会が増えてきたと思います。ステーキングとは、ある特定の通貨を保有しているだけで、報酬を得られる仕組みのことです。株式投資で言うと、インカムゲイン収入と同じことになります。
この記事では、保有しているだけで報酬が得られるステーキングについて、基本情報やメリット・デメリット、そして気になる税金のことまで、初心者に向けて分かりやすく紹介します。
目次
ステーキングとは?
ステーキングとは、ある特定の通貨を保有しているだけで報酬を得られる仕組みのことです。イメージ的には、株式投資のインカムゲイン収入と同じことになります。もう少しかみ砕いて言うと、配当金に該当します。
報酬の年率は、およそ3%~6%ほどが相場となっていますが、相場に左右されるため、一定の利率ではありません。株式投資と違って、支払いの間隔は短く、毎週や毎月のペースで報酬を受け取ることができます。
このように、ステーキングは暗号資産(仮想通貨)=キャピタルゲイン(売却益)のみの報酬というイメージから、インカムゲインでも報酬を受け取れるという新たな世界を誕生させてくれました。
では次にステーキングのメリットについて見ていきましょう。
ステーキング3つのメリット
ステーキングには、以下のように大きく3つのメリットがあります。
- 高利率
- 保有しているだけでいい
- 期間に縛りがない
それぞれ一つずつ見ていきましょう。
高利率
一つ目は「高利率」についてです。
先ほど紹介しましたが、年率の相場はおよそ3%~6%となっています。これは、みなさんが普段お使いの銀行と比べると、高利率になっていることが下の表から分かると思います。
対象 | 利率 |
ゆうちょ銀行 | 0.001% |
楽天銀行 | 0.02% |
ステーキング | 3%~6% |
現状日本では、銀行へ貯金をしていてもほとんど増えることはありません。ゆうちょ銀行に1年間100万円を預けていたとしても、たったの10円しか増えません。
一方で、暗号資産(仮想通貨)のステーキングサービスを利用すれば、年間で3万円~6万円増えることになります。
このように、銀行よりはるかに高利率で資産を増やしやすいサービスということになります。
保有しているだけでいい
二つ目は「保有しているだけでいい」についてです。
ステーキングでは、基本的にある特定の通貨を保有しているだけで報酬を得ることができます。みなさんが投資を聞いてイメージする、チャートに張りついて、売買するといった行為は必要ありません。
そのため、比較的簡単に始められ、忙しい人やめんどくさい人にとって、おすすめの資産を増やすサービスになっています。
期間に縛りがない
三つ目は「期間に縛りがない」についてです。
現状、国内のステーキングサービスには、期間に縛りがありません。このあと紹介しますが、海外の取引所では、ある期間、通貨がロックされ取り出せない「ロックステーキング」という種類があります。
期間に縛りがないことで、やめたいときにいつでもやめられるというメリットが生まれます。逆に期間に縛りがあると、その期間は基本的には通貨を動かすことができず、期間が経過するのを待つしかありません。
このように、期間に縛りがないと、急な出費の際にすぐに対応することができます。
ステーキング2つのデメリット
次はデメリットを紹介します。デメリットは以下のように2つあります。
- 取引所が破綻するリスクがある
- 通貨自体が暴落するリスクがある
それぞれ一つずつ見ていきましょう。
取引所が破綻するリスクがある
一つ目は「取引所が破綻するリスクがある」についてです。
自分の資産を預けるわけなので、当然預け先の破綻リスクは考えないといけません。もちろん、破綻するリスクがゼロにはなりませんが、そのリスクを減らしておくことはできます。
ですから、ステーキングサービスを利用する場合、信頼性の高い取引所を選ぶようにしましょう。もう少し具体的に言うと、資金力の大きな会社が運営している取引所を選びましょうということです。
日本では、銀行が破綻した場合、預金保険制度により元本1,000万円までなら保証してもらえます。ですが、暗号資産(仮想通貨)の取引所には、現状そのような制度はなく、破綻したら、自分の預けている資産はすべてなくなってしまうかもしれません。
このようなことをできるだけ回避するためにも、信頼性の高い取引所でステーキングすることをおすすめします。
通貨自体が暴落するリスクがある
二つ目は「通貨自体が暴落するリスクがある」についてです。
こちらはイメージしやすいと思いますが、保有している通貨が暴落してしまうと、当然資産を失うことになります。通貨の暴落をあらかじめ予想することは難しいですが、これも事前にリサーチしておくことで、リスクを減らすことは可能です。
基本的には時価総額の高い通貨を購入することをおすすめします。時価総額が高いということは、それだけ流動性があり需要があるということになります。
余程のことがない限り、急に暴落するリスクは少ないと言えるでしょう。
ステーキングにかかる税金はどうなる?
ステーキングにも税金はかかります。これはみなさん気になっていたところだと思います。ステーキングで税金がかかるタイミングは、以下の2つになります。
- 報酬を受け取ったとき
- 取得した通貨を売却したとき
それぞれ一つずつ見ていきましょう。
① 報酬を受け取ったとき
ステーキングで報酬を受け取ったとき、その受け取ったときの時価に対して税金が発生します。ステーキングでは、報酬を受け取るタイミングが比較的多いため、その辺をしっかりと整理して確定申告など行うようにしましょう。
② 取得した通貨を売却したとき
ステーキングをやめる場合、すなわち取得した通貨を売却したときにも、税金がかかってきます。このとき、取得したときの取得価格と、売却したときの差額が課税の対象となります。
このように、暗号資産(仮想通貨)を保有しているだけでは税金はかかりませんが、報酬を受け取ったり、売却したりすると税金がかかってきます。
国内・海外のステーキングサービス4選を紹介
最後に、国内と海外のステーキングサービスを厳選して4つ紹介していきます。
- Coincheck(コインチェック)
- bitFlyer(ビットフライヤー)
- GMOコイン
- Binance(バイナンス)
それぞれ一つずつ見ていきましょう。
① Coincheck
Coincheckのステーキングサービス概要は以下のとおりです。
対象通貨 | リスク(LSK) |
最低保有量 | 10LSK以上/日 |
最小資金額(目安) | 約5,000円(2021年8月19日現在) |
報酬受取日 | 毎週水曜日 |
このようにCoincheckでは、「リスク(LSK)」をステーキングサービスの通貨対象としています。2020年1月からステーキングサービスを開始しており、リスク(LSK)をステーキング対象通貨として取り扱った世界で初めての取引所として知られています。
また取引所としては、3年連続アプリダウンロード数No.1 となっており、非常に人気の高い取引所となっています。
bitFlyer
bitFlyerのステーキングサービス概要は以下のとおりです。
対象通貨 | リスク(LSK) |
最低保有量 | 10LSK以上/日 |
最小資金額(目安) | 約5,000円(2021年8月19日現在) |
報酬受取日 | 毎週水曜日 |
このようにbitFlyerでは、2021年2月からステーキングサービスを開始しており、Coincheckと同じく「リスク(LSK)」を対象通貨としています。
取引所としては、1円から積み立てできる「かんたん積立」というサービスがあり、初心者でも少額から始められる取引所として、人気の高い取引所となっています。
GMOコイン
GMOコインのステーキングサービス概要は以下のとおりです。
対象通貨 | テゾス(XTZ) |
最低保有量 | 1XTZ以上/日 |
最小資金額(目安) | 約360円(2021年8月19日現在) |
報酬受取日 | 翌月10日(土日祝の場合は翌平日) |
このようにGMOコインでは、2021年3月からステーキングサービスを開始しており、「テゾス(XTZ)」を対象通貨としています。
CoincheckやbitFlyerで取り扱っている「リスク(LSK)」と比べると、価格が安く、現在ならワンコイン(500円)あれば投資できる価格となっています。
取引所としては、500円から積み立てできる「つみたて暗号資産」というサービスや、2021年オリコン顧客満足度No.1 を獲得しており、サービスの充実度・人気ともに使いやすい取引所として知られています。
バイナンス
最後に海外の取引所であるバイナンスのステーキングサービスを紹介します。バイナンスでは、以下3つのステーキングサービスが提供されています。
- フレキシブルステーキング
- 定期ステーキング
- DeFiステーキング
それぞれ一つずつ見ていきましょう。
フレキシブルステーキング
フレキシブルステーキングは、国内のステーキングと同じく、期間に縛りのないステーキングになります。
定期ステーキング
定期ステーキングは、フレキシブルステーキングとは反対に期間に縛りのあるステーキングになります。機関の例としては「15日・30日・60日」などがあります。この期間は、資金がロックされ、出金・取引ができない状態になります。
特徴としては、フレキシブルステーキングよりかは、ロックされている分、利率が高い傾向にあります。
DeFiステーキング
DeFiステーキングは、分散型金融(DeFi)と呼ばれるスマートコントラクトを利用して、ステーキングするサービスになります。こちらでは、フレキシブル・定期と、期間をどちらか選択できるようになっています。
利率は通貨によって様々で、フレキシブルステーキングと定期ステーキングとは、また違ったタイプのステーキング方法と言えるでしょう。
まとめ
今回は、ステーキングの基本情報やメリット・デメリット、そして気になる税金のことまで、初心者に向けて分かりやすく紹介してきました。
ステーキングについて、まとめていきます。
- ある特定の通貨を保有しているだけで報酬が得られる
- 基本的に高利率となっている
- 国内のステーキングサービスでは期間に縛りがない
- 取引所が破綻するリスク、また通貨自体が暴落するリスクがある
- ステーキングで受け取った報酬には税金がかかる
ある特定の通貨を保有しているだけで報酬が得られるステーキングサービスですが、取引所が破綻するリスク、また通貨自体が暴落するリスクもあります。このように、どんなに魅力的に見える投資商品にも、必ずリスクは存在します。
リターンが大きければ、リスクも大きいということです。そういったことを、あらかじめ理解した上で、十分に注意しながら、楽しくステーキングサービスを利用しましょう。
今後はますます暗号資産(仮想通貨)市場が盛り上がってくるはずですから、今のうちに経験を積んでおくといいでしょう。
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