NEM(ネム)とは、新しい経済活動(New Economy Movement)の頭文字をとって名付けられています。このNEM(ネム)というのは、暗号資産(仮想通貨)ではなく、プラットフォームのことを指し、そのプラットフォームで発行されている暗号資産(仮想通貨)をXEM(ゼム)と呼びます。
この記事では、国や政府、中央銀行といった既存の枠組みを離れた、新しい経済のしくみを目指す「NEM(ネム)」について、基本情報や特徴、そして今後の将来性を初心者に向けて分かりやすく紹介します。
NEM(ネム)を
大まかに説明すると....
- NEM(ネム)は、国や政府、中央銀行といった既存の枠組みを離れた、新しい経済のしくみを目指している暗号資産(仮想通貨)である。
- NEM(ネム)は、承認速度が速く、セキュリティレベルの高い暗号資産(仮想通貨)である。
- リップル(XRP)社が現在開発を進めている「Ripple Net」と呼ばれている送金システムが普及してくれば、今よりもさらに低コストかつ高速な国際送金を実現することができる。
- 大型アップデートにより実用性等が増し、今後の動きが注目されている暗号資産(仮想通貨)の一つとなっている。
NEM(ネム)とは?
NEM(ネム)とは、New Economy Movement(ニュー・エコノミー・モーメント)の頭文字をとった略称です。この言葉から分かるように、「国や政府、中央銀行といった既存の枠組みを離れた、新しい経済のしくみを目指す」ことを目標として生まれています。
なお、NEM(ネム)というのは、ブロックチェーン技術を利用しているプラットフォームのことであり、そのプラットフォームで発行されている暗号資産(仮想通貨)をXEM(ゼム)と呼びます。
発行が開始されたのは2015年3月で、ビットコインやリップルなどと比べると、比較的新しい暗号資産(仮想通貨)と言えます。また、2017年3月にシンガポールで「NEM財団」が発足されており、暗号資産(仮想通貨)であるXEM(ゼム)のブロックチェーン技術使用の普及に力を注いでいます。
そのほかにも、NEM(ネム)は日本国内で根強い人気を誇っていて、独自のコミュニティをもっているほどです。NEM(ネム)利用者間では、愛好家や保有者のことを親しみも込めて「NEMber」と呼ぶことがあります。
NEM(ネム)の概要
NEM(ネム)の概要については、以下の表をご覧になってください。
暗号資産(仮想通貨)名 | NEM(ネム) |
ティッカーシンボル | XEM(ゼム) |
発行開始年月 | 2015年3月31日 |
主な利用用途 | 送金・決済・投資・事業 |
開発主体 | プログラムによる自動発行 |
発行方法 | 分散型台帳データ管理に必要となる、計算・価値記録を行う記録者への対価として発行 |
上限発行量 | 8,999,999,999XEM(すべて発行済み) |
発行可能枚数の変更 | なし |
コンセンサスアルゴリズム | PoI(Proof of Importance) |
NEM(ネム)の特徴
NEM(ネム)の特徴は全部で7つあります。
- 処理速度が速い
- 「PoI」を承認方式に採用している
- 通貨の供給量が増えることがない
- セキュリティレベルが高い
- ICOが個人で設計できる
- アポスティーユと呼ばれる公証機能がある
- 独自トークンを発行することができる
それぞれ一つずつ見ていきましょう。
処理速度が速い
NEM(ネム)は、ブロックチェーン上に、新しいブロックを作成するまでにかかる時間が約1分となっています。これは、以下のようにビットコインの約10分と比べると、いかにNEM(ネム)の方が速いかが分かると思います。
BTC(ビットコイン) NEM(ネム)
処理時間 約10分 約1分
データの処理速度は、取引のスピードへそのまま直結しています。暗号資産(仮想通貨)にとって、この処理速度は非常に大切なポイントで、スピードが遅ければ遅いほど、通貨としてはマイナスな印象になってしまいます。
そう考えると、NEM(ネム)は、時価総額一位のビットコインと比べ、その処理速度が約10分の1となっているため、大きな信頼を与えていると言えるでしょう。
「PoI」を承認方式に採用している
NEM(ネム)は、承認方式に「PoI」と呼ばれる独自のコンセンサスアルゴリズムを導入しています。これは、アカウントの重要度によって報酬が分配される仕組みとなっています。アカウントの重要度とは「PoIスコア」で管理されており、XEM(ゼム)の保有量、保有期間、取引量などを元に算出されています。このPoIスコアが高いほど重要度が高いとみなされて、より多くの報酬を受け取ることができます。簡単に言うと、NEM(ネム)のよく利用すると、それに伴って報酬も増えるといった仕組みになっています。
従来の取引の承認方式(PoW)では、大量のコンピューターによって、資本力がものを言う独占的な状態となっていました。しかしNEM(ネム)は、平和主義を尊重しており、NEM(ネム)のネットワークを利用すれば、誰でも公平に報酬を受け取ることができるシステムを作り上げました。
通貨の供給量が増えることがない
NEM(ネム)の暗号資産(仮想通貨)であるXEM(ゼム)は、発行を開始した当初に約90億を配布しており、それ以降新しく発行していません。多くの暗号資産(仮想通貨)は、マイニングによって、新たにコインを発行していますが、NEM(ネム)の場合はそれを行なっていないので、市場へ今以上に供給量が増えることがありません。
これにより、市場に流通するコインが増えすぎて、インフレを起こすリスクがなくなり、同時に供給量が増えて、NEM(ネム)自体の価値が落ちるといった心配もなくなります。
セキュリティレベルが高い
NEM(ネム)は、数多くある暗号資産(仮想通貨)の中でも唯一「EigenTrust++(アイゲントラスト)」と呼ばれる特殊なアルゴリズムで、セキュリティを管理しています。これにより、暗号資産(仮想通貨)の中でも、トップクラスにセキュリティが強固で安全性が高いと言われています。
EigenTrust++(アイゲントラスト)とは、「ネットワーク上でノードの動きを監視し評価することで、悪質なノードを排除する」仕組みとなっています。
ICOが個人で設計できる
NEM(ネム)は、個人でもICOができるように作られています。ICOとは、企業が仮想通貨を自ら作り出して売ることを言い、クラウドファンディングに近い仕組みだと言えます。
これから暗号資産(仮想通貨)がより盛り上がってきて、自らコインを作り出すという文化が浸透してくれば、必然的にNEM(ネム)を使ったICOのプラットフォームは需要を増すことになります。もしそうなってくれば、NEM(ネム)の価格は大きく上がる可能性があります。
アポスティーユと呼ばれる公証機能がある
NEM(ネム)には、アポスティーユと呼ばれる公証機能があり、これによりブロックチェーン技術の強みである「改ざんされない」ことをより強固なものしています。公認とは本来、不動産の登記や特許など、記録を立会人となる「立証人」の前で証明することを意味しています。
しかしNEM(ネム)では、これをアポスティーユと呼ばれる公証機能を使い、ブロックチェーン技術を利用することで、第三者(立証人)の介入なしに作成することを可能にしました。
独自トークンを発行することができる
NEM(ネム)には、ブロックチェーン技術を利用することで「モザイク」という独自のトークンを発行することができます。これは、NEM(ネム)のネットワーク上に「ネームスペース」という空間をレンタルすることで、発行することができるようになります。
ネームスペースとは、ドメインのようなもので、モザイクはそのサイト内のコンテンツの一部によく例えられています。モザイクは、暗号資産(仮想通貨)としての機能だけではなく、株式、投票、ゲームなど、いろいろな用途で利用することができます。
NEM(ネム)の価格推移
ここからは、NEM(ネム)のこれまでの価格推移を見ていきます。
2015年~2017年のNEM(ネム)の価格推移
発行開始から2017年の前半までは、ほとんど価値をもっておらず、しばらく「1円未満」を推移していました。その後、暗号資産(仮想通貨)市場の盛り上がりとともに価格が上昇し始めて、12月には「50円」となり、年末になると「100円」を超えるようになりました。
2018年のNEM(ネム)の価格推移
2018年に入ってからも価格は上昇し、1月7日に史上最高値となる「211円」を記録しています。しかし、その後Coincheck(コインチェック)でNEM(ネム)流出事件が起こり、1月の末には「80円」にまで一気に下落していきました。この年はその後も下がり続け、4月には「20円」となり、11月には「10円」を切ってしまうほどにまで、下落していきました。
2019年のNEM(ネム)の価格推移
2019年に入り、しばらくは「10円」前後を維持していましたが、暗号資産(仮想通貨)市場の不調もあり、9月以降は「5円」まで価格は落ち込みました。
2020年~2021年現在のNEM(ネム)の価格推移
2020年に入り、このあと紹介する大型アップデートによる影響と、暗号資産(仮想通貨)市場の全体の盛り上がりとともに、価格は徐々に上がっていきます。アップデート前には、一時期「87円」前後まで上昇しましたが、その後は現在まで「30円」前後を推移している状況となっています。
NEM(ネム)の現在の価格
You have not selected any currency to displayNEM(ネム)の今後の将来性は?
NEM(ネム)の今後の将来性は、3つの要素から上昇する可能性があります。
- 大型アップデート
- DeFi市場への参入
- NFT市場への参入
それぞれ一つずつ見ていきましょう。
大型アップデート
NEM(ネム)のイベントの一つに、カタパルトによる大型アップデートの実装が挙げられます。これにより処理速度が向上し、今よりもさらに実用的な通貨となってくることが予想されています。
アップデートが無事に実装すると、1秒当たり約4,000件のトランザクションを処理することが可能となります。処理速度の速さで有名なリップルでさえ平均で約1,500件と言われているので、無事に実装されると、暗号資産(仮想通貨)の中でも圧倒的な処理速度となってくるでしょう。それに伴って、価格の上昇も期待できると予想されます。
DeFi市場への参入
DeFiとは、分散型金融のことで2020年後半から暗号資産(仮想通貨)全体のトレンドになっています。今回アップデートで発行されるシンボル(XYM)は、早速「Fantom Foundation」と呼ばれる、分散型アプリケーションを開発しているプラットフォームと提携を結んだと発表しています。この提携により、今後DeFiなどの分散型アプリケーションへ、より積極的に参入してくると見られています。DeFi市場の盛り上がりとともに、価格も上昇してくると考えられます。
NFT市場への参入
DeFi市場への参入とともに、今後のトレンドとして欠かせないのが「NFT」です。アップデートしたシンボル(XYM)も、NFT市場へ参入する想定で開発が進められています。具体的に「NEMBEAR ART」と呼ばれるプラットフォームを開発中です。そこはNFTを自由に売買することができる、分散型のプラットフォームになると見られています。NFTは、今まさにトレンドとなりつつありますので、そこにシンボル(XYM)がうまく波に乗ることができれば、価格も上昇してくると見られています。
XEM(ゼム)が購入できる取引所は?
XEM(ゼム)は国内または海外の取引所で購入することができます。金融庁に認可された国内の暗号資産(仮想通貨)で購入することを推奨します。
現在、XEM(ゼム)を購入できる金融庁に認可された国内の主な暗号資産(仮想通貨)取引所は以下になります。
Coincheck(コインチェック)
- 暗号資産(仮想通貨)の貸出サービスで利息収入を狙うことができる!
- さまざまなアルトコインを取り扱っていてバリエーション豊富!
- 取引手数料無料なのでコストを抑えながら取引できる!
Coincheck(コインチェック)は、暗号資産(仮想通貨)のNEM流出後にマネックスグループが株主となり、セキュリティ体制や経営体制を見直した仮想通貨取引所です。
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Zaif(ザイフ)
コイン積立や取引を行うことで逆に手数料をもらえるのが特徴!
- 独自トークンCOMSAやその他トークンも取引できる!
- 販売所と取引所どちらも初心者に分かりやすいトレード画面!
- 2018年の仮想通貨流出後はマルチシグや二段階認証などを導入しセキュリティ体制を強化!
取扱通貨 | 11種類:BTC(ビットコイン)、XEM、MONA、BCH、ETH、ZAIF、XCP、BCY、SJCX、FSCC、PEPECASH、CICC、NCXC、CMS |
---|---|
手数料(BTC) | 販売所:スプレッド、取引所:0~0.1% |
最低取引単位(BTC) | 販売所:0.0001BTC、取引所:0.001 BTC |
日本円入金手数料 | 0~605円(税込) |
日本円出金手数料 | 385~770円(税込) |
Zaif(ザイフ)も販売所と取引所のサービスを用意、このほかにもコイン積立など独自サービスを多彩に取り揃えています。テックビューロ株式会社が設立・運営していましたが、事業譲渡によって2021年時点では株式会社Zaif(ザイフ)で運営管理しています。
Zaif(ザイフ)の強みでもあるのが、トークンの種類です。自社開発のCOMSAをはじめXCPやFSCCなどといったトークンを取り扱っています。
公式サイトやトレード画面がシンプルかつ分かりやすいデザインなので、暗号資産(仮想通貨)取引初心者にも使いやすい仮想通貨取引所といえます。
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bitFlyer(ビットフライヤー)
- ビットコイン取引量国内第 1 位!お客様数は 50 万人を突破!豊富な資金力!
- 最高強度のセキュリティ!損害保険を国内大手損害保険会社と契約して保証もあり!
- スマホの専用アプリからでも暗号資産(仮想通貨)の取引を始めることができる!
bitFlyer(ビットフライヤー)はビットコインの取引量が日本一、株主に大企業が勢揃いしているので資本金も潤沢な取引所です。
[su_row] [su_column size="1/2" center="no" class=""][su_button url="http://h.accesstrade.net/sp/cc?rk=0100lb4k00hscq" target="blank" style="flat" background="#3A4150" color="#ffffff" size="9" wide="yes" center="yes" radius="5" icon="icon: angle-right"]もっと詳しく知る[/su_button][/su_column] [su_column size="1/2" center="no" class=""][su_button url="http://h.accesstrade.net/sp/cc?rk=0100lb4k00hscq" target="blank" style="flat" background="#c70a0f" color="#fff" size="9" wide="yes" center="yes" radius="5" icon="icon: angle-right"]口座開設する[/su_button][/su_column][/su_row]
GMOコイン
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GMOインターネット(東証一部上場)グループのサービスで注目を集めているのがGMOコイン。オリコン顧客満足度1位(2021年度)を記録しており、利用しやすいという点でも強みを持っています。
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DMM Bitcoin(DMMビットコイン)
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- UIがシンプルで良い!初心者にも使いやすいアプリ版があるので外出先でもチェックできる
DMM Bitcoin(DMMビットコイン)は、11種類もの暗号資産(仮想通貨)を取り扱っている国内の中でも比較的仮想通貨取引所です。ビットコインやイーサリアムの他、ステラルーメンやネムといった暗号資産(仮想通貨)も取引できます。
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NEM(ネム)についてのまとめ
今回は、NEM(ネム)の基本情報や特徴、そして今後の将来性について、初心者に向けて分かりやすく紹介してきました。
まとめていきます。
- NEM(ネム)は国や政府、中央銀行といった既存の枠組みを離れた、新しい経済のしくみを目指している暗号資産(仮想通貨)で、「PoI」と呼ばれるコンセンサスアルゴリズムを採用している。
- 処理速度が速く、セキュリティレベルも高いため、人気の底堅い暗号資産(仮想通貨)の一つとなっている。
- アップデートによって実用性が増し、それに伴って価格も上がっていく可能性が高いと見られている。
- DeFiやNFT市場へ積極的に参加してくることで、価格へもいい影響が出てくると見られている。
- 国内でXEM(ゼム)を取り扱っている取引所は7社あります。初心者におすすめなのは、使いやすい「CoinCheck」「DMM Bitcoin」の2社になります。
現在は価格が上昇しているNEM(ネム)ですが、暗号資産(仮想通貨)はボラティリティが大きいことで有名です。上昇幅が大きければ、それだけ下落もあるということです。
要するに利益が出やすい反面、損失も出やすいということになります。ですから、初心者は、まず少額から始めてみることをおすすめします。
暗号資産(仮想通貨)の口座開設がまだの人は、まず国内の取引所から開設することをおすすめします。初心者でも使いやすく、少額で積み立てていくことのできる取引所でおすすめなのは「Coincheck」と「DMM Bitcoin」です。
今回の記事で気になった人は、ぜひ購入を検討してみてください。